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論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける純炭素フォイルによる荷電変換への挑戦

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.937 - 941, 2023/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速している。これまでRCSでは、HBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)とカネカ社製のグラフェン薄膜(GTF: Graphene Thin Film)の2種類を荷電変換フォイルとして使用してきた。HBCフォイルとは100$$mu$$g/cm$$^{2}$$以上の厚い炭素フォイルを安定的に作製するために高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発された手法である。当初はKEKで作製されたフォイルを使用してきたが、2017年からは原子力機構でHBCフォイルの作製を開始し、以来これを使用している。近年、アーク蒸着法では作製が困難と言われてきた厚い純炭素フォイルの成膜に成功した。新たな試みとして、この純炭素フォイルを2023年3月からの利用運転で使用した。結果、HBCフォイルとGTFでは使用時間の経過とともに、荷電変換されずにビームダンプに廃棄されるビーム量の増加傾向が観察されたが、純炭素フォイルではこの傾向がなく、安定的に荷電変換が可能であった。本発表ではこれら3種類の荷電変換フォイルの使用状況について報告する。

論文

Electron storage performance of hybrid materials comprising polyoxometalates and carbon nanohorns as cathode-active materials

若松 勝洋*; 関原 輝昇*; 山口 慶彦*; 松島 諒*; 松村 大樹; Kuila, T.*; 吉川 浩史*

Batteries & Supercaps (Internet), 6(1), p.e202200385_1 - e202200385_8, 2023/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:29.01(Electrochemistry)

Nanohybrid materials comprising polyoxometalates (POMs) and nanocarbons have attracted considerable attention as electrode-active materials for rechargeable lithium-ion batteries (LIBs). These materials exhibit multi-electron redox reactions, resulting in an improved battery capacity. This study focuses on carbon nanohorns (CNHs) as a nanocarbon material and evaluates the battery performance using POM/CNH hybrids as cathode-active materials. X-ray absorption fine structural analysis was performed to investigate the reaction mechanism of these hybrids. POM/oxidized CNH (CNHox) hybrid materials maintain high capacities at high current densities as the high surface area availability of CNHox leads to high electrical double-layer capacitances. These findings show an improved performance of the as-developed material when compared with those reported in previous papers and can contribute toward an improved design of cathode-active materials for high-performance supercapacitors.

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける荷電変換フォイルの最近の使用状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.629 - 633, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速させている。RCSで主に使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としてアーク蒸着法により作製したHBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。2017年から原子力機構でフォイルの内作を開始し、2018年以降これを利用運転で使用している。これまでのところフォイルを起因とする大きな問題は生じていない。一方でこの間、RCSのビームパワーは500kWから830kWへと段階的に上昇してきた。出力上昇に伴い、フォイルを支えているSiCファイバーの破断が顕著になってきた。SiCファイバーの破断はビームロスを増やしたり、フォイル回収時の汚染源となる可能性がある。この課題の対策としてより高強度な特性を持つSiCファイバーの使用やSiCファイバーパターンの変更などの対策を検討した。本発表では近年のJ-PARC利用運転でのフォイルの使用状況と課題とその対策ついて報告する。

論文

小型モジュール炉(SMR)開発の動向と原子力機構における新型炉開発の取組

松場 賢一; 篠原 正憲; 豊岡 淳一; 稲葉 良知; 角田 淳弥

エネルギー・資源, 43(4), p.218 - 223, 2022/07

世界的な「脱炭素化」の潮流において、日本は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、原子力を含めたあらゆる選択肢の追求を方針にしている。その有望な選択肢の一つである小型モジュール炉(SMR: Small Modular Reactor)を含む新型炉開発を推進することは、原子力に対する社会要請に応えるうえでも重要である。本稿では、国内外のSMR開発動向を解説するとともに、SMRを含む新型炉開発に係る日本原子力研究開発機構の取組みを紹介し、おわりにSMRを含む新型炉の国内導入に向けた今後の展望を述べる。

論文

Einstein-de Haas nanorotor

泉田 渉*; 奥山 倫*; 佐藤 健太郎*; 加藤 岳生*; 松尾 衛

Physical Review Letters, 128(1), p.017701_1 - 017701_6, 2022/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:67.44(Physics, Multidisciplinary)

We propose a nanoscale rotor embedded between two ferromagnetic electrodes that is driven by spin injection. The spin-rotation coupling allows this nanorotor to continuously receive angular momentum from an injected spin under steady current flow between ferromagnetic electrodes in an antiparallel magnetization configuration. We develop a quantum theory of this angular-momentum transfer and show that a relaxation process from a precession state into a sleeping top state is crucial for the efficient driving of the nanorotor by solving the master equation. Our work clarifies a general strategy for efficient driving of a nanorotor.

論文

高温ガス炉のカーボンニュートラルへの貢献

西原 哲夫

原子力の新潮流, 2-2, p.30 - 36, 2021/08

日本原子力研究開発機構では、高温ガス炉とこれを用いた水素製造の研究開発を進めている。高温ガス炉を熱源として、二酸化酸素を排出せず、将来のクリーンエネルギーである水素を安価で大量に製造するシステムの実現を目指している。本システムは、日本政府が掲げるカーボンニュートラルの実現に大きく貢献できる。本報では、国の政策における高温ガス炉の位置付けや海外での高温ガス炉開発の現状も含め、高温ガス炉の研究開発の現状について説明する。

論文

H$$_{2}$$ production from methane decomposition by fullerene at low temperature

徳永 智春*; 久野 孝平*; 河上 匠*; 山本 剛久*; 吉越 章隆

International Journal of Hydrogen Energy, 45(28), p.14347 - 14353, 2020/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:6.8(Chemistry, Physical)

グラファイトとカーボンブラックによるCH$$_{4}$$からのH$$_{2}$$生成触媒メカニズムを明らかにするために、ガスクロマトグラフィー,放射光その場加熱X線光子分光法(SR-XPS)とTEMによって6員環に加え5員および7員環からなるフラーレンの触媒挙動を調べた。XPSおよびTEM分析から、sp$$^{2}$$結合からなる複数のリング構造が、CH$$_{4}$$分解の400$$^{circ}$$以下の低温触媒作用を起こすことが推察された。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの作製状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.545 - 549, 2019/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。RCSで使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としたアーク蒸着法により作製したフォイル(HBCフォイル: Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。このHBCフォイルはビーム照射による損傷に対して強い耐久性を持つことが大きな特徴である。これまでHBCフォイルの作製は、成膜工程(蒸着,アニール,剥離)を高エネルギー加速器研究機構(KEK)つくばで実施し、原子力機構(JAEA)東海でフォイルの調製工程(サイズ調整,フレームマウント,マガジンラックへの装填)を実施する分業体制で行ってきた。2017年より、フォイル蒸着装置をKEKつくばからJAEA東海に移設し、作製工程を統合した。移設後に新しく作製したHBCフォイルの健全性を評価するために、量子科学技術研究開発機構(QST)高崎研TIARAにおいて照射試験及び性能分析を実施し、実機でのビーム照射試験を経て、利用運転での使用を開始した。結果、新しく作成したHBCフォイルのみで1年間の利用運転を達成することができた。

論文

カーボンナノチューブワイヤーを用いたビームプロファイル測定試験,3; リニアック高エネルギー部におけるプロファイル測定

宮尾 智章*; 三浦 昭彦

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1031 - 1034, 2018/08

J-PARCリニアックでは、ビームロスが少なく、安定したビーム運転を実現するため、ビームプロファイルモニタを用い、ビーム進行方向に対して鉛直な断面のプロファイルを測定して、4極電磁石の調整を行っている。ビームプロファイルの測定には、ワイヤスキャナモニタ(WSM)を使用しており、リニアックの高エネルギー部では、センサ部にタングステンワイヤーを使用している。このワイヤーは、加速したビームと直接相互作用するため、ビーム出力向上する際、より高い耐久性のあるワイヤー材料が必要である。そこで、高い引張強度、電気伝導度を有し、熱的に無酸素状態で3000$$^{circ}$$Cまで耐えられるカーボンナノチューブ(CNT)に着目し、ビーム阻止能が高い3MeVの負水素イオンビームでビームプロファイル測定試験を実施した。この結果、ピークビーム電流30mAにおいて、高い耐久性を持ち、従来の炭素繊維と比較して、より広いダイナミックレンジがあることが確認できた。さらに、ビーム阻止能が低い高エネルギー部にCNT製ワイヤーが適用できるか確認するため、191MeV調整部のWSMにCNT製ワイヤーを適用し、ピークビーム電流40mAでプロファイル測定試験を実施した。本発表では、191MeVにおけるプロファイル測定について、3MeVでの測定結果及びタングステンワイヤーでの測定結果と比較して報告する。

論文

Application of carbon nanotube wire for beam profile measurement of negative hydrogen ion beam

三浦 昭彦; 守屋 克洋; 宮尾 智章*

Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.5022 - 5025, 2018/06

J-PARCリニアックでは、ビーム輸送中のビームロスを抑制し、安定で効率的な運転を実施するため、ワイヤを用いたプロファイルモニタ(WSM)を用いて、4極電磁石の調整を実施している。WSMはビームの進行方向に対し、鉛直な方向のプロファイルを測定する計測器であり、ビームが直接衝突するワイヤにはタングステンなどの金属や、ポリアクリロニトリルから生成した炭素繊維線を使用している。ビーム出力増強に伴い、ワイヤの熱的負荷も増加する。そこで、無酸素状態で3000$$^{circ}$$Cまで耐え、鋼鉄の100倍以上の引張強度を持ち、銅, 銀より高い電気伝導度を有するカーボンナノチューブ(CNT)に注目し、ビーム照射試験を実施した。直径50, 100$$mu$$mのCNT製ワイヤに、3MeVの負水素イオンビーム, ビーム電流30mA,パルス幅100$$mu$$s, 1Hzで照射したところ、炭素繊維線と同等以上の信号電流が得られた。さらに、幅200$$mu$$s, 25Hzという100倍のビーム量でも4分間のビーム照射に耐え、顕微鏡観察でも、顕著なワイヤ損傷は見られなかった。加えて、ワイヤが破断するまで、幅400$$mu$$sのビームにおいたところ、破断直前に大量の熱電子が放出される現象を確認した。本発表では、ビーム測定時の信号波形、ワイヤ破断時の兆候について発表する。

論文

カーボンナノチューブワイヤーを用いたビームプロファイル測定試験

宮尾 智章*; 三浦 昭彦

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.572 - 576, 2017/12

J-PARCリニアックでは、ビーム電流を増強する計画が進められている。ビーム輸送中のビームロスを抑制し安定な運転を実施するため、ワイヤスキャナモニタ(WSM)を用いてビームの進行方向に鉛直な方向のプロファイルを測定し、4極電磁石の調整を行っている。このWSMの信号検出部であるワイヤについては、大電流ビームからの熱負荷に耐える必要があり、これまで融点の高いタングステンワイヤを使用してきた。さらに高いビーム電流に耐えうる材料として、カーボンナノチューブ(CNT)に注目した。CNTは鋼鉄の100倍以上の引張強度を持ち、銅, 銀などの金属より高い電気伝導度を有し、無酸素状態で3000$$^{circ}$$Cまで耐えられる物質として知られている。そこで、CNTをWSMに適用し、3MeVの負水素イオンビームのビームプロファイル測定を行った。この結果、3MeVのビームラインで使用してきた炭素繊維による測定と同等以上の信号利得があり、測定した結果も同等であることが確認された。

論文

低エネルギーイオンドーピングによるカーボンアロイ形成とその吸着脱硫への応用

下山 巖

放射線と産業, (141), p.7 - 11, 2016/12

化石燃料の脱硫は水素製造における必須のプロセスである。従来の水素化脱硫に代わる新たな手法として提案されている吸着脱硫では安定で高機能の活性炭吸着材の開発が求められているため、発表者は低エネルギーイオンビームでヘテロ原子ドーピングを行った炭素材料(カーボンアロイ)に対しチオフェン吸着特性のドーパント依存性を調べた。15族の窒素とリンをグラファイト表面にドーピングした場合、窒素よりもリンの方がチオフェン吸着に対して優れた効果を持つこと、及び室温と高温のグラファイトにリンドーピングを行うと室温ドーピングした試料の方が10倍以上優れたチオフェン吸着能を示すことを見いだした。X線吸収分光法を用いた局所構造解析により両者のリンの構造が異なることを明らかにし、室温ドーピングでは曲面構造が形成されたことにより高い吸着特性を持つことを示した。以上の結果は低エネルギーイオンビームによるカーボンアロイ開発の可能性を示している。

論文

薄膜を透過させた炭素クラスターイオンの計測

千葉 敦也; 齋藤 勇一; 田島 訓

第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.89 - 92, 2004/00

現在、われわれの施設では構成原子数の比較的小さな8種類のMeV級クラスターイオンが加速可能になっており、クラスターイオンと物質との相互作用をはじめとする、MeV級クラスターイオンの照射効果や基礎的な衝突現象が徐々に解明されつつある。高速度領域における重イオンの激しい衝突効果はさまざまな計算や実験から実証されてきているが、原子が複数個結合したクラスターイオンでは、その衝突現象を解明するためには入射原子同士の相互作用など集団的振る舞いも考慮する必要があり、より複雑になる。重イオンが物質と衝突する際、核的であるか電子的であるかといった部分に限っても、単原子イオンの場合は、そのイオンの速度により大別できるのに対し、クラスターイオンの場合は速度に加え、構成原子数,幾何学的構造やその構造体の物質への入射角度なども考慮しなければならない。そこで、幾何学的構造の選定と入射角度の制御を目標とした技術開発を行っていく必要がある。今回は究極の目標に向けての足がかりとして、クラスターの構造や入射角度などの同定を視野に入れ薄膜を通したクラスターイオンの動向と薄膜透過後の平均電荷の計測を試みた。平均電荷測定では、計算理論値とほぼ同様な傾向を示すことを確認した。

論文

Optimizing the fabrication process for superior mechanical properties in the FCVI SiC matrix/stoichiometric SiC fiber composite system

井川 直樹; 田口 富嗣; Snead, L. L.*; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*; McLaughlin, J. C.*

Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1205 - 1209, 2002/12

 被引用回数:16 パーセンタイル:69.83(Materials Science, Multidisciplinary)

SiC繊維強化SiC複合材料は、低放射化や高温機械特性等に優れているため、次世代の核融合炉用の構造材料の候補材である。近年、高温機械的特性に優れたSiC繊維が開発された。本研究では、この繊維を用い、機械的特性を最適化した複合材料を作製することを目指し、複合化過程の最適化を行った。複合化過程としては最も高純度化が達成できると期待できるFCVI法を採用し、SiC繊維とマトリックスとの間の界面材料としては、低放射化や耐照射性が期待できるカーボン層を用いた。カーボン層の厚みの均一化及び最適化並びにマトリックス中の空孔の低減化及び空孔分布の均一化等によって、優れた機械特性を有するSiC/SiC複合材料が得られる見通しを得た。

論文

Vapor response properties of conducting composites prepared from crystalline oligomer-grafted carbon black

Chen, J.*; 坪川 紀夫*; 前川 康成; 吉田 勝

Carbon, 40(9), p.1597 - 1617, 2002/08

 被引用回数:21 パーセンタイル:73.45(Chemistry, Physical)

エチレンとエチレンオキサイドの結晶性ブロック共重合体を放射線架橋したカーボンブラック複合体のセンサー性能を溶媒蒸気に対する応答特性から評価した。ガスセンサーの電気抵抗値は、非極性溶媒であるシキロヘキサン蒸気に応答し、10,000倍まで上昇した。しかしながら、センサー応答性は、ブロック共重合体の分子量(575~1750)の違いによって著しく異なることがわかった。この応答性の違いを電子顕微鏡による物理的構造の変化から観察したところ、溶媒の吸着による複合体中の迷細孔構造の違いに起因していることが明らかとなった。また、この複合体は、繰り返し処理に対し可逆的な応答性を示した。

論文

Release of hydrogen isotopes from boron coated carbon tiles of JT-60U

木津 要; 柳生 純一; 後藤 純孝*; 新井 貴; 宮 直之

Fusion Science and Technology, 41(3), p.907 - 911, 2002/05

プラズマ対向壁からの水素同位体(軽水素,重水素,トリチウム)の放出を評価することは、核融合炉の安全性,燃料粒子のリサイクリング,壁のコンディショニングの観点から重要である。JT-60では、重水素化デカボランを用いたボロナイゼーションを行うため、プラズマ対向カーボンタイルはボロン膜でコーティングされている。ボロナイゼーションでのプラズマ中水素同位体挙動を調べるため、実際にJT-60において使用されたボロンコーティング後のカーボンタイル試料を用いて、水素同位体の放出挙動と水素同位体の深さ方向分布を2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて測定した。その結果、カーボン層に比べてボロン層に多量の水素同位体が蓄積されていることがわかった。これは、JT-60のボロナイゼーション中に蓄積されたものと考えられる。さらに、ボロン層の水素同位体はカーボン層のそれに比べ熱的に容易に放出されることが見いだされ、この水素同位体がボロナイゼーション直後におけるプラズマ中の軽水素・重水素比に関連していることが明らかになった。

論文

Effect of fractionated exposure to carbon ions on the frequency of chromosome aberrations in tobacco root cells

下野 和彦*; 鹿園 直哉; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏

Radiation and Environmental Biophysics, 40(3), p.221 - 225, 2001/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:28.36(Biology)

タバコ根端細胞に対するカーボンイオン分割照射効果について調べた。2MeV電子線に対する220MeVカーボンイオンの単一照射の生物学的効果比(RBE)は、分裂指数が15,染色体異常頻度が10であった。カーボンイオン0.5Gyを二回,1時間,2時間,6時間間隔で照射しても1Gyの単一照射と染色体異常頻度に差がみられなかった。しかしながら、電子線においては、5Gyを2時間間隔で照射した場合、10Gy単一照射に比べて染色体異常頻度が低下することが見いだされた。このことは、一回目の照射によって「正確な」修復が誘導・活性化されたことを示唆している。染色体異常のスペクトルが単一照射と分割照射で変わらなかったことから、この電子線における染色体異常頻度の低下はある特定の型の異常が原因ではないと考えられる。カーボンイオンの分割照射によって染色体異常頻度が下がらないことは一回目の照射によって「正確な」修復が誘導・活性化されない、もしくはカーボンイオンによる損傷が効率的に修復されないことが原因と考えられる。

論文

Tritium decontamination of TFTR carbon tiles employing ultra violet light

洲 亘; 大平 茂; Gentile, C. A.*; 大矢 恭久; 中村 博文; 林 巧; 岩井 保則; 河村 繕範; 小西 哲之; 西 正孝; et al.

Journal of Nuclear Materials, 290-293, p.482 - 485, 2001/03

 被引用回数:10 パーセンタイル:59.01(Materials Science, Multidisciplinary)

米国プリンストンプラズマ物理研究所におけるトカマク核融合試験炉(TFTR)の除染・解体に向けた日米共同試験の一環としてTFTR真空容器内壁のカーボンタイルの紫外線によるトリチウム除染試験を行った。紫外線照射により水素と重水素(ガス状)及び二酸化炭素の2倍以上の放出、一酸化炭素の放出並びにオゾンの生成を測定した。また、タイル表面におけるトリチウム濃度は紫外線照射後20%減少した。400Kまでの加熱により表面トリチウム濃度は4~22Bq/cm$$^{2}$$増加したが、紫外線の再照射により加熱前の値に戻ることを確認した。これらのことから、紫外線照射はトリチウム表面汚染の効率的な除染方法の一つであることを示した。

論文

イオンビームを用いた黒鉛の非晶質化過程とカーボンオニオン生成

阿部 弘亨

炭素素原料科学と材料設計,3, p.5 - 14, 2001/00

イオン注入/照射下においては物質中に格子欠陥を注入イオンが蓄積する。その結果、非晶質化などの相変態や新規注入が形成される。本稿では炭素系において観測される非晶質化ならびに同心球状黒鉛ナノ粒子(カーボンオニオン)について、最近のわれわれの研究成果を総説した。まず、非晶質化線量の温度依存性からイオン注入条件を確立した。すなわち700K以上の高温では非晶質化せず、黒鉛の結晶構造が保持され、イオン注入で形成されるオニオンの結晶構造が安定であるとの指針を得た。またイオン注入後ならびにその場観察実験によって、オニオンの核形成・成長・集積過程を明らかにした。さらに多量生産に関する技術的基盤を整えた。

論文

ヨウ素を溶解したヨウ化水素酸の高温電気透析

小貫 薫; Hwang, G.; 清水 三郎

膜シンポジウム'99報文集, (11), p.37 - 40, 1999/00

ヨウ素を溶解したヨウ化水素酸(HI重量モル濃度10mol/kg)の高温電気透析による濃縮に関して予備的検討を行った。供試イオン交換膜は市販のCMH及びAPSであり、95$$^{circ}C$$試験液への117時間浸漬試験により当該環境における化学的安定性を調べた結果、いずれの膜のイオン交換容量にも変化は認められなかった。電気透析試験では、通常の陽及び陰イオン交換膜を用いる方式に加えて、本系の電極反応がI$$^{-}$$/I$$_{2}$$の酸化還元反応であることを利用した陽イオン交換膜のみを用いる方式を取り上げて、60~70$$^{circ}C$$での濃縮挙動を調べた結果、本系では後者の方式が有効であることが示唆された。セル抵抗については、膜抵抗の温度依存性を反映して高温ほど大きく減少すること、また、カーボンクロスが高温域でのセル抵抗支配因子である電極反応抵抗の低減に有効であることを明らかにした。

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